ブックンロールオキナワ2019に関して、新聞でコラムを3本書きました。
せっかくなので順次こちらのブログに掲載します。
せっかくなので順次こちらのブログに掲載します。
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本のゲンバビトたち ブックンロール刺激的
(初出:2019年1月12日 沖縄タイムス3面「うちなぁ見聞録」)
(初出:2019年1月12日 沖縄タイムス3面「うちなぁ見聞録」)
近ごろ、「本屋の本」がたくさん発行されているのをご存じだろうか。たとえば個性的な本屋さんが紹介されていたり、オーナー自身がその経営のノウハウを書いていたりと内容はさまざまで、雑誌などで各地のお店が特集されることも珍しくなくなった。
さらに、ここ10年ほどはブックイベントもさかんに行われるようになっている。「出版不況」なんて言葉も聞こえてくる一方で、ここまで本と本屋が注目された時代もほかにないのでは、と思う。
フラッと一冊の本を手にして集まり、それぞれに感想を語り合う読書会から、絵本の原画の展示会、あるいは街を挙げての大がかりな古本市まで、本をめぐる集まりは思いのほか多種多様だ。
ひとくちに本といっても中身はいろいろだから、あらゆるジャンルと相性がいいのも当然かもしれない。
ひとくちに本といっても中身はいろいろだから、あらゆるジャンルと相性がいいのも当然かもしれない。
音楽とコラボした「ブックンロール」というイベントが、東京で開催されているのを知ったときのインパクトは忘れられない。ギターやベースを手にしてバンド演奏をするのは、書店員さんや編集者、取次といった現場の人たち。「ブック」と「ロックンロール」を合わせたキャッチーなタイトルもあいまって、全国の本好きのあいだではかなり知られていたようだ。
2014年、沖縄から飛行機に乗り、ブックンロールを聴きに行ってきた。ライブはもちろんのこと、第一線の本屋さんたちが語るトークはどれも刺激的だった。
たとえば商店街の中にある本屋さんが、すぐ隣に軒を連ねる「味つけ海苔店」とコラボして、おにぎりのレシピ本と海苔を並べて販売したところ予想以上の売上をあげたという。自由な発想に目からウロコが落ちるようだった。
たとえば商店街の中にある本屋さんが、すぐ隣に軒を連ねる「味つけ海苔店」とコラボして、おにぎりのレシピ本と海苔を並べて販売したところ予想以上の売上をあげたという。自由な発想に目からウロコが落ちるようだった。
本が売れないといわれる時代に、何かできないかともがいていた自分にとって、このイベントがひとつの答えのような気がした。わたしも、大好きな音楽を取っかかりに、「本への入り口」をつくる役割を果たせないか。
それから2年後、「のれん分け」のような形で、わたしは沖縄版のイベント「ブックンロールオキナワ」を主催することになった。もともと弾いたことのないギターを買って練習するところから始まり、音楽が好きな書店員さんを集めてバンド演奏をした。
トークの部では、沖縄の書店員さんたちに加えて、「本家ブックンロール」を主催している空犬太郎さんもお招きした。子どもの多い沖縄では、店頭に10円20円の駄菓子を並べて子連れを集客する工夫をしていたりと、沖縄ならではの創意工夫があるという。
また目からウロコが落ちた。
また目からウロコが落ちた。
そして今年も、もうすぐ「ブックンロールオキナワ2019」が開催される(1月24日(木)19時30分~、沖映通りSOUNDSGOOD NAHA)。今度は本屋さんだけではなく、図書館司書や、流通からの出演も決まっていて、バンドも4つに増えた。
普段はなかなか顔の見えない「本のゲンバビト」たちが、どんなふうに奮闘しているのかを知ることによって、読む人、売り手や作り手にとっても新しい世界が開いてほしい。
そんなささやかな願いを込めながら、準備に励む日々だ。
(喜納えりか・ボーダーインク編集者)
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