2016年10月11日火曜日

【トークの部出演者情報】大城書店石川店 吉山盛綱さん

日付が改まって、いよいよブックンロールオキナワ、開催があすに迫ってまいりました。バンド+トーク出演者一同、いろいろ準備に励んでおります。

さて、前回の更新では、【ライブの部】にドラムで出演される小原猛さんについて記事を書きました。いよいよこの出演者情報も残すところあとお一人です。

-----------------------------------------------
大城書店
読谷・嘉手納・うるま市石川に3店舗を構える。地域に愛される老舗書店。路面型スーパーや商店街にある各店には、老若男女問わず客足が絶えない。登壇者は石川店店長の吉山盛綱さん。
-----------------------------------------------

大城書店の創業者は、大城行雄さん。
昭和26年に、地元である読谷村で、24坪の店舗からスタートしました。ご夫婦で始めたお店の信条は「地元密着」。創業当初は、読谷から近隣町村へ客が流れないように、雑誌売上の8割ほどをも宅配していたのだそうです(のちに、村内から範囲を近隣町村へも広げておられます)。そうしたこともあって、界隈では知らない人はいない、地元に愛されたお店として名を馳せています。

今回の登壇者である吉山さんは、現在ある3店舗のうちのひとつ、石川店の店長を務めておられます。なんと20代!若くて、有能な店長さんです。
学生の頃からお店に通っておられたのだそうですよ。

同店は、うるま市石川にある路面型複合ショッピング施設にあります。


大城書店石川店

読谷村都屋にあるマックスバリュの敷地にリニューアルオープンした、読谷店。


大城書店読谷店


さらに、嘉手納ロータリー近くの商店街に店舗を構える、嘉手納店。


大城書店嘉手納店

いずれも、書籍だけではなく、文具や学用品にも力を入れていて、さらにオリジナル商品の開発などにも余念がありません。地域のニーズに応える、という言葉にふさわしい「町の本屋さん」です。
さらに申し上げると、スタッフの皆さんがとても朗らかで親切です。お店に行くとついつい長居をしてしまいます。
お客様との間に日々巻き起こる、楽しいエピソードにも事欠かないようですが、詳しくは登壇者の吉山さんから、当日いろいろ伺うことができることでしょう。

ちなみに。
吉山さん、なんとドラムを叩くミュージシャンでもあるんですよ(!)。



2016年10月5日水曜日

【ライブの部出演情報】怪談作家 小原猛さん

いろいろ極まってきたブックンロールオキナワ2016。新聞・テレビ・ラジオほか、メディアの露出度も高めです。トークイベントとしては(新人バンド「やぎ」としても?)、注目度がかなり高いのではないでしょうか。

取材してくださったメディア関係各位には感謝しかありません。このブックンロールオキナワによって、沖縄の本屋さんにさらなる注目が向いてくれると最高だと思っています。

■ ■ ■

さて前回の更新では、【ライブの部】にラッパーとして登場されるじゃぱなさんについて記事を書きましたが、今回はこちらの方を。

-----------------------------------------------
小原猛(こはら・たけし)ダムダムブックス
1968年8月24日、京都生まれ。怪談作家。『琉球怪談』シリーズほか著作多数。
好きな漫画は山本英夫『ホムンクルス』。
-----------------------------------------------

「沖縄では、本の現場のみなさんの仲が良い」と、どこかで書いたことがあります。仲が良いだけではなく、なんといいますか、境界があいまいでゆるい。例えば古本屋さんが本を出版したり、古本屋でふつうに新刊を売ったり、逆に、新刊書店でふつうに古本が並んでいたり、そんなことが日常的にあります。ほかの地域をあまり知らないので、同じようなこともあるのかもしれませんが。

これは、沖縄の戦後史も関係していると個人的には思っています。

沖縄は、戦後から1972年までは米軍による占領下でしたから、高度経済成長も東京オリンピックも大阪万博も、そこから派生した恩恵も、満身に受けることはありませんでした。なによりも日本から遠く離れた島ですから、商品だって日本並みに入るとはとても言えません。

そんな中、本という数少ない知的商材を、「新刊/古本」と区別することはあまりなかったのだと思います。復帰前に発行されていた雑誌や、あるいは商工年鑑などをめくっていると、新刊も古本も、さらには地球儀も万年筆もネクタイも一緒に売っている本屋さんの広告がよく見つかります。また、ある先輩の話によると、パスポートを持って本土に渡航したときに、新刊/古本問わず山のように購入して帰り、それを沖縄で販売したら文字通り飛ぶように売れたのだそうです。

まあ買い手側に区別がないのは当然として、売り手側にもまた事情がありました。県外から本を仕入れるときの船賃の負担です。本屋さんは、新刊書につけられた定価をドルへと変換するときに、独自のレートを使って少しだけ利ざやを増やし、それを船賃や貿易にかかる手数料にあてていたのだそうです。定価はあれど、その売価は古本と同じく変動があったわけですね。

本に飢えていたこと、時代背景から派生した新刊/古本との区別のなさが、いまの沖縄の本屋事情につながったのかもなと、2016年の私は妄想するわけです。
実際のところをご存知の方がおられましたら、ぜひご教示くださいね。

■ ■ ■

話が大きくなりましたが、何が言いたいかというと、そうした境界のゆるさによって、「古本屋さんが本の著者になる」のも頻繁に起こるということです。

その代表格と言えるのが小原猛さんです。沖縄のネット古書店の草分け「ダムダムブックス」の店長さんですが、2011年に実話怪談の本を発行したことをきっかけに、いまや「沖縄の怪談博士」として名をはせています。



琉球怪談』シリーズ第一作。


怪談作家としての単著デビューは、ボーダーインク刊『琉球怪談』です。その後も同シリーズは『七つ橋を渡って』『不思議な子どもたち』(共著・三木静)、『おきなわ妖怪さんぽ』(小原猛と琉球怪団)と続きまして、さらに今年も『琉球怪談作家、マジムン・パラダイスを行く』が刊行されました。

これも、「同業者に沖縄の怪談を集めている面白い人がいる」と、ボーダーインクが日頃から親しくしている古本屋さんが紹介してくれたのがきっかけでした。

小原さんはその後も、東雅夫さんらの『』など各雑誌・媒体での執筆のほか、琉球新報社、TOブックスなどといった県内外の出版社から著書を刊行。「りゅうPON!」での連載などを含めて精力的に執筆をされています。

さらに怪談による地域おこしや、ライター・スチールカメラマンとしての仕事、テレビ・映画・DVDなどの映像作品における監修(たまに出演)など、活躍の場は枚挙にいとまがありません。たまたまTSUTAYAで借りてきたDVDに小原さんが登場して、ぜんぜん中身に没頭できなかったことがあります。レンタル料返せ。

とにかく多才というか、多趣味というか、多忙というか、いろんなことをやっておられる小原さんですが、そのひとつが【ライブの部】でも披露されるドラムです。かなり前に立ち話で「ドラムの経験がある」と教えてもらったのを思い出しまして、「よろしければ今回のイベントでちょっと叩いてもらえませんか」と依頼したところ、「いーよー」とご快諾いただきました。わたしは小原さんに何かを断られたことは一度もありません。とても優しくて親切な方だと思います。

そして、スタジオ練習当日。
やって来た小原さんにドラムを叩いてもらって、一同、超びびりました。
何にびびったかって。
あとは会場で聴いてもらったら分かります。

サマーソニック深夜の稲川淳二みたいに、ブックンロールも時間が極まってきたら小原さんによる怪談語りタイムが…(ない)(ないです)(あったら面白いけどないです)。

さて、当日はどうなることでしょうか。
みなさま、どうぞお楽しみになさってくださいませ。



2016年10月4日火曜日

【ライブの部出演者情報】書苑 じゃぱなさん

さて本番まであと10日を切った(切ってしまった!)ブックンロールオキナワ。おかげさまで、チケットとご予約で満席となりました。パチパチパチ!
 
これも告知や販売にご協力いただいた皆様、そして何よりもイベントに来たいと思ってくださった皆様のおかげです。本当にありがとうございます。

あとは当日、楽しんでいただけるように、主催者・出演者一同、全力で頑張ってまいります。

■ ■ ■

さて、前回の更新では、【ライブの部】にボーカルで出演される、くじらブックスの渡慶次さんについてご紹介しましたが、今回はなんとラップで参加してくださるこの方について、記事を書きました。

-----------------------------------------------
じゃぱな 書苑
書店営業担当。ラッパーとして県内各所で活動中。
-----------------------------------------------

本屋さんといえば実店舗を構えるところだけだと思ってしまいがちですが、実はそれだけではありません。たとえば、学校や図書館(学校・公共)などに本を納入するのを専門としている書店もあります。じゃぱなさんが働いているのもそうした書店さん。子供たちが図書館で本を読めるのは、書店さんが日々、学校を回り、営業して、本を納めてくれているからこそなのです。

どんな本を納入するかというシビアな目で見ているわけですから、選書眼もほかの本屋さんとはちょっと違うように感じます。学校だから単純に児童書だけというわけでもない。沖縄関係の本にも力を入れてくださっていることも、作り手側としてはよく知っています。

図書館と本屋との関係についてはいろいろ沙汰があるようですが、個人的な考えを申し上げますと、図書館は長期間、本を保管してくれ、無料で貸し出しをしてくれますから、読書人口を広げる上でその存在意義は小さくないと思っています。また、実際、学校や図書館からの大口購入は、地元の出版社にとってはありがたい以外の何者でもありません。

沖縄が出版王国といわれる、その一翼と言っては大げさなのかもしれませんが、子供から大人まで、沖縄の本にいつでも触れられる図書館と、そこに本を届けてくださる書店さんたちは、沖縄の出版活動を根っこから支えていると思っています。

そうしたことで、日々、沖縄を北から南まで走り回るじゃぱなさんですが、ラッパーとして音楽活動中でもあります。ライブハウスやイベントでその姿を見た方もおられることでしょう。

私もじゃぱなさんの存在は知っていましたので、彼が出演するライブに行き、パフォーマンスを見たその場で、「ぜひブックンロールに出てほしい!」とスカウトしました。顔を合わせるのも初めてだというのに、いま振り返ってもたいへん驚かれたことだと思います。ほとんどドン・キングの所業ですから。

■ ■ ■

話は3年前にさかのぼります。

ただいま開催中のブックパーリーOKINAWA2016ですが、その第1回は2013年に行われました。そのときも、わたしは事務局(という名の裏方)を務めたのですが、期間中のイベントに、ジュンク堂書店那覇店での「ビブリオバトル」がありました。

出演者がそれぞれのオススメ本をプレゼンし、優勝者を決めるのです。私もたくさんのプレゼンを楽しんで、そして推薦された本も買いました。

その一冊がこちら。

ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50

内容はそりゃあ最高です。さらに私はオノ・ナツメさんが好きなので、オノさんが描いた表紙や挿画がたまらなくて、何度もページをめくっては惚れ惚れと眺めていました。

あの中の登場人物になりたい…!

今回のブックンロールのフライヤーを作るときに、ミキシズさんが絵を描いてくれることになりましたが、そのときにもこの本を渡して「オノ・ナツメさんみたいな雰囲気だったら最高」とお願いしたのです。



あとで知りましたが、ビブリオバトルでそのプレゼンをしたのが、当のじゃぱなさんだったのです。ブックンロール、なんだか面白いご縁が続きます。

そんなことで、じゃぱなさんは【ライブの部】でラップを披露してくれます。一体なにが起こるのか!? 私もまだ全容を把握していませんが、とにかく注目の一番ですよ。